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【研究】国立環境研究所:暑熱適応進展しても熱中症死亡1.6倍に 気候変動と高齢化で増加懸念

2025.11.20

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(出典:HPより)


国立環境研究所と東京大学の研究チームが、長期的な暑熱適応の進展を織り込んだ日本の熱中症死亡者数の将来予測手法を構築した。湿球黒球温度(WBGT)と死亡率の関係を都道府県・年齢層別に解析し、気候変動シナリオと人口動態を組み合わせて試算した結果、1995~2014年を基準とした熱中症死亡者数は、暑熱適応を考慮しても2031~2050年の21世紀半ばに約1.6倍へ増加する見通しとなった。気温上昇と超高齢社会の進行が重なり、国が掲げる2030年までの死亡者数半減目標の達成には、追加的な対策が前提条件となる構図が浮き彫りになった。

試算では、暑熱適応を考慮しても全世代の死亡者数は21世紀末に最大1.9倍まで増える可能性が示された。65歳以上の高齢層で死亡率・死亡者数の増加が顕著となり、人口構成の変化がリスク拡大の主要因として作用する姿が示された形となる。一方で、WBGTの上昇に応じてリスクが高まる温度閾値も上振れする傾向が確認され、行動変容や技術対策など暑熱適応の余地も示された。ただ現段階では個別施策が死亡リスク低減にもたらす量的効果は十分把握されておらず、研究チームは熱中症警戒アラートなどの施策効果の定量化と、関係機関と連携した対策の社会実装を今後の課題としている。

【出典】
長期的な暑熱適応の効果を見込んでも気候変動と超高齢社会により21世紀半ばに向けて熱中症死亡者数が増加する
※本記事は一次情報をもとに生成AIを活用した要約です。詳細は公表資料をご確認ください。